「名前?」
左手でぬいぐるみを抱きながら大希を見下ろす紫織。
「せっかくだし付けなよ」
大希もブランコから降りて滑り台に登り、紫織の隣でしゃがんだ。
「ん~……まぁやは?」
ぬいぐるみを見つめながら言う紫織。
「何でまぁやなんだよ」
大希は首を傾げながら言った。
「ずっと、子供が出来たらまぁやにしようかなって思ってたからさ」
「そうなんだ」
大希も納得したみたい。
「………っ」
紫織の心臓が鳴った。
大希が紫織にもたれかかった。
「だ……大希?」
「なに?」
甘く言う大希に、心臓が鳴り響く紫織。
「重いよ」
実際そんなに重くない。
「大丈夫」
まぁやを抱く紫織の手は汗だくだった。