「じゃ、出かけてくるね」





紫織はいつもよりお洒落して家を出た。




今日は土曜日。学校で友達と会えない変わりに、おめでとうメールが沢山届いた。





「結局大希からプレゼントもらえないのか」





紫織は寂しげに呟いた。そして靴を履き、玄関のドアを開き外に出た。




少し寒い。もう秋なんだなぁとしみじみ想わせるのだった。




「!?」





その秋を感じさせる空気の中に大希が立っていた。





「紫織!!お誕生日おめでとう」





そう言って大希は紫織に可愛くラッピングがされた箱を紫織に渡した。



いつもと同じ、小学生の様な笑顔で。