「いいか、部活では大希じゃなくて柏木先輩って呼べよ」



「断固拒否!?」




部活が終わって2人は1階の廊下を歩いていた。



「アホか!!退部になるぞ」



大希と紫織が所属している部活はダンス部だった。



ダンス部の決まりごとの1つが先輩には必ず〇〇先輩と呼ばなくてはならないこと。



「だってキモくない??私が大希の事先輩って呼ぶの」



半笑いで大希に言う紫織。



「でも決まりは決まりだからな。部活中は大希って呼ぶのは厳禁」


大希は紫織に一発デコピンして教室に戻って行った。



「大希のば───か!!!」



紫織は大希に向かって言った。大希は一度振り向いて紫織に小さな声でこう言った。


「お前の方がばか(笑」


「大希!!!!!」




紫織はかんかんに怒っている中、大希は小学生の様な笑顔をしていた。



「じゃぁな(笑」



大希はまだ笑っていた。