─── 家 ─── 「大希とか、意味分かんないし」 ベッドの上の枕を思い切り叩く。掛け布団がくしゃくしゃになっていく。 「……ぅっ……ひっく……」 自然と涙が出てきていた。 やっぱり紫織には怖すぎたんだ。まだ小学生の名残がある紫織には怖すぎたんだ。 「大希の馬鹿───」 無理やり拭う涙。 ちょっとした悪戯が大きな事件を起こしてしまった。