「みて!新作のメイク!買っちゃった!」

「えー!いいな!」


「最近ふとっちゃてー」

「まじかよ。酵素のやつやってみたら?」


「このパステルピンクの服可愛くない?」

「あ、これの色違い持ってるよ!」


なぜこの席になってしまったんでしょう。

先生…。

わかってますよ、番号順でしょ。

でも、こんな真横にキラキラしたたくさんの女子軍団がいたら怖くて勉強ができないよ…。





オシャレとか、ダイエットとか、メイクとか!


わたしとは無縁の話ばかり聞こえてくる…。

やっぱり女の子だな……。


ハッ!!



いいもん!


私はみんなとちがって勉強があるし、むしろ話しかけてくれないから勉強の邪魔にならなくて嬉しいんだけどね!


両手で握りしめ暗記帳とにらめっこをしながらブツブツと唱えるように覚える。


来週の期末テストでは絶対に拓実よりいい点とるんだから。


すると


「おーい!あゆ!来週の土曜カラオケ行かね?」


斜め前からやってくる、茶髪の男子。その後ろをついてくる雅紀、裕也、




そして拓実。


クラスで人気者の大野雅人。

笑顔で私の隣のうるさい女子たちの輪に入る。



「行く行く!他に誰が行くのー?」

「えっとー、裕也と雅紀と拓実!」