「かしこまりました。ご注文は以上でよろしかったでしょうか?失礼します」


ウェイトレスさんが去っていっても大毅が鼻を伸ばしてるから




「なにをぼーっとしてんの」

「してへんよ」

「ウェイトレスさんに見とれてたん?」

「お前。付き合って4年目やのにヤキモチやいとんか?笑」



「4年経ってもイヤなもんはイヤなのっ」


「お待たせ致しました。メロンソーダ、お2つです」


「ありがとうございます」


「ごゆっくりどうぞ」



「おいしそーっ。いただきまぁすっんっ、大毅飲まへんの?」

「っ…」

「どうしたん。顔、青いけど…」

「…」

「大毅?」


大毅の目は一点を見つめていて
何を言っても、大毅の耳には届いていない気がして。


「大毅っ」

「っごめんごめん。笑」

「大丈夫?」

「おん。大丈…夫」


その言葉が言い終わる前に
大毅の体がかたむいて私の視界から消えてしまった。

「大毅?ねぇ、大毅?!しっかりしてっ」


倒れたグラスから
まだ1口も手をつけていないメロンソーダが大毅の顔にかかる。

その水滴が、大毅の命を吸いとってしまうような気がして…。

なんでか分からないけど
大毅の周りに溜まったメロンソーダを触るのが怖かった。