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「だ……っはああああ……!!!」
「あず、鼻血鼻血」
呆れつつも、心配してくれているひよりが私に大量のティッシュを差し出してくる。
それもそうだ。
なぜなら私はだばだばと大量の鼻血を流しているからだ。ちなみにこんなに鼻血をたらしたのは人生初だったりする。
しかしこの梓に弁解の余地をもうけて欲しい。
だってだって……!!
昼休みが終わってただいま5時限目なのですが……!!
「ゆづ!!」
「いけええ!!」
授業は……そう!!!
「体育……万歳……!!」
ワイシャツ、ブレザーなどといった袖の長いものに覆われていた腕の筋肉が、体育着という名のTシャツによって解き放たれたようにその存在を主張するように彼の力強い腕を露出している!!
しかも彼の場合はその袖すらも嘲笑うかのように肩までまくっているため盛り上がった肩周辺の筋肉達もその輝きを存分に放っている!!
さらに!
「任せろぉぉ!!」
宙を舞うボールめがけて、ゆづくんは跳躍した。
ふわりと舞い上がったTシャツの隙間から垣間見える引き締まったお腹……っ!!
ゆづくんの腕が、宙を舞うボールをとらえる。
「くたばれえっ!!!」
その叫びとともに、振り下ろされた彼の腕によって放たれたボールは、見事に相手陣のコート内に鋭く落ちたのだった。



