対する私は、華の高校生であるにもかかわらず他のみんなみたいに髪を染めることなく黒髪のまま。


美容院に行くことも無く、伸ばしっぱなしの髪はついに腰まで届いてしまいました。

ボサボサなままではさすがにJKとしてまずいので、軽く三つ編みにしています。


おまけに目が悪く、コンタクトは合わないのでメガネをかけるという始末。


漫画をいくら応募しても受賞することなんてなくて、それ以来自分に自信があまり持てず、気づけばこうして『地味』という言葉がお似合いな自分になってしまっていました。

そんな私にとって彼のような良い意味でも悪い意味でも派手な感じが、ちょっとだけまぶしく見えた。


だからこそ、ゆづくんの筋肉が放つ光が余計にまぶしく感じた。


「……ああでも、学校だとワイシャツのせいで筋肉が隠れてしまって上手く観察できない……」


今の季節は夏。

制服の衣替えがあり半袖タイプのワイシャツを着ているが、それだとあのタンクトップの時のように肩周りの筋肉が見えないじゃないか!!

………やっぱり、休み時間の張り込みに力を入れるしかないようだな…!!



「あず?」

「!!」



待ちに待った昼休み。

廊下を歩いていたゆづくんの後を、物陰に隠れながら数メートルの距離を保ち、ゆづくんの筋肉の観察をとても真剣にしていた私に声をかけてきたのは。