やっと私の腕を離してくれたゆづくん。

そのまま自分の前髪をぐしゃりと握った。


「とりあえず、今はお前を女としてみるのは無理だ」

「へ??」


女としてみるのは……

ムリ???

なんで突然そんなことを言われなきゃいけないのですか??


ゆづくんは状況を理解できないでいる私を余所に、その場にどかっと座った。

そして信じられないことを口にする。


「けど、そこまでして俺を描きたいんなら描いても構わねえ」

「!!!?」


こ、これは……!!

間違いない!!

『ゆづくんの筋肉描き放題宣言』キターッ!!


「ほ、本当ですか!?」


ぱあっと顔を輝かせてゆづくんへ近寄る。


うれしい、うれしい。

これでこそこそ隠れてゆづくんの筋肉のストーキングをしなくてもいいのね!!

心置きなく観察できるのね!!

してもいいのね!!



「そんで」

「ハイ?」


解き放たれた気分の私を見た、ゆづくんはさらに続けた。

まだ何か??


「お前、俺から離れんな」

「……ハイ???」


俺からハナレンナ??