「……」
「……」
しばらく続いた沈黙。
おかしい、ゆづくんからの怒号が聞こえない。
ぎゅっと閉じていた目を少しずつ開き、そのまま顔を上げて恐る恐るゆづくんを見ると。
「……ゆづくん……!?」
ゆづくんはなんと、口をぽかんと開いたまま石化していた。
いや、石化するのは勝手だけどせめて私の腕を離してからにしてほしいデス……!!
「お、おーいゆづくん……? 大丈夫?」
私も、ゆづくんのワイシャツを離し、その手をゆづくんの顔の前に持っていってひらひらと振る。
少ししてゆづくんははっとしたように石化から元に戻った。
気のせいかな?
ゆづくんの耳が少し赤い気がするんだけど……。
「てめ……!! 急になんてこと言いやがる!!」
そしていきなりキレられてしまった。
「ふえええ!?」
だって、理由聞いてきたのそっちじゃないデスか!!
おかしい!!
理不尽!!



