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俺は確かにアホかと叫んだ。


しかし気づけば、俺は教室の机に突っ伏していた。


時計を見るとちょうど昼時で。


「ゆづくん!!」


遠くから、俺を呼ぶ声が聞こえた。

見ればそいつはさっきまでの子供の姿じゃなくて。


「お昼!食べに行こうっ!」


俺のよく知る、和泉 梓だった。



「おー」



だるく返事をしてゆっくり体を起こす。

机で寝ると背中が痛くなってしゃーねえや。



横で楽しそうにぺちゃくちゃと話しながら弁当を食べる君を見て。


幼い君もいいけれど。


「……ま、俺も男だからな」

「何言ってんの?」

「こっちの話だ」


俺が好きになったのは

紛れもなく、『今』の君だから。



「……フォーク使うか?」

「え、なんで!?」



ガラにもなく、思った。


こんな時間がずっと続くようにと。






……Fin.