あずゆづ。


***

「……えーっと」

「なにがあったの?あず」


少し経って、ひよりと岡本さんがお買い物から帰ってきた。

しかし、さぶくりと腫れた私の目を見て固まる二人。

当たり前だ。

さっき、あんだけ散々泣いたんだもん、腫れるに決まってる。



「いやちょっと」

「こいつが勝手に泣いた」

「えええっっ(そうだけど!!!)」


私が心配かけまいとうまくごまかそうとしていたのに、ゆづくんがそうやってド直球に真実を言ってしまうから。


「あ! 岡本さん聞いて下さい!」

「え、何!?」

「実はデスね!! ゆづくんがぁいたあっ!!」

「てめーはいい加減だまっとれ!!」



うまく二人に説明できずに、ただ混乱させてしまった私たちだった。


「ゆづー何あずちゃん泣かせてんだよ!」


すかさず、岡山さんがゆづくんの肩に腕をまわして

にやにやと笑う。


「泣かしてねえよ。つーか名前呼ぶな」

「え?俺ずっとゆづって呼んでたのになんで今更?」

「…………そーじゃ、ねえよクソが」


恥ずかしそうに、岡山さんから目を逸らすゆづくん。

その会話を聞いて、はっとした私。