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「……えーっと」
「なにがあったの?あず」
少し経って、ひよりと岡本さんがお買い物から帰ってきた。
しかし、さぶくりと腫れた私の目を見て固まる二人。
当たり前だ。
さっき、あんだけ散々泣いたんだもん、腫れるに決まってる。
「いやちょっと」
「こいつが勝手に泣いた」
「えええっっ(そうだけど!!!)」
私が心配かけまいとうまくごまかそうとしていたのに、ゆづくんがそうやってド直球に真実を言ってしまうから。
「あ! 岡本さん聞いて下さい!」
「え、何!?」
「実はデスね!! ゆづくんがぁいたあっ!!」
「てめーはいい加減だまっとれ!!」
うまく二人に説明できずに、ただ混乱させてしまった私たちだった。
「ゆづー何あずちゃん泣かせてんだよ!」
すかさず、岡山さんがゆづくんの肩に腕をまわして
にやにやと笑う。
「泣かしてねえよ。つーか名前呼ぶな」
「え?俺ずっとゆづって呼んでたのになんで今更?」
「…………そーじゃ、ねえよクソが」
恥ずかしそうに、岡山さんから目を逸らすゆづくん。
その会話を聞いて、はっとした私。



