それから俺と姉貴は、お袋の実家に預けられるも

荒れた中学生活を送った。


「ゆづ」


ちょうど、中学校を卒業した姉貴に言われた。


「あんたは、高校に行きな」

「あ?」


姉貴は中卒で働くことを決めた。

俺の学費を稼ぐって言って。


「あんたはあたしが面倒見てやるよ」


普段は言えないけど

こうして考えると…

案外頼りになる姉貴だった。


姉貴のスパルタ指導で、なんとか俺は今の高校に入学した。


姉貴は今の店で住み込みで働き続けた結果、店長にまで成り上がっていた。


店長になった姉貴は、『今はな、味だけじゃダメだ。見た目もかわいくなきゃ客は捕まえられねえ!!』と、思い切って店の内装をガラッと変え、今の『うさぎの小屋』ができた。


俺は、お袋型の祖父が残してくれた財産を使って、ここで一人暮らしをしている。



俺は俺で、一人の空間がほしかったからなのかもしれない。