生活にも、困っていた。
資格もなにもなかったお袋は、バイトを重ね寝る間もなく働いた。
俺と姉貴も、お袋の内職を手伝ったりしていた。
紙で、小さな箱を作る物だった。
小さい俺たちが作るものは、お世辞にも売り物になるような仕上がりにはならなくて。
だけど、お袋は「よくできたね」って
文句も言わずに笑った。
そうして小学生になった俺たち。
3年ぶりくらいになり
親父がまた、連絡もなくふらっと帰ってきた。
俺たちは、親父の姿を見て呆然としていた。
腹はふくれあがり、ただ話すだけでヒューヒューと息が上がっている。
とても苦しそうな親父の姿だった。



