*優樹side*

俺の親父は物心ついたときから単身赴任で家にはいなかった。

年に1回…もしくは2回。
それこそ正月や盆に帰ってくるくらいだった。

だけど、少しずつ時が過ぎていくと共に帰ってくることはなくなって。


お袋が姉貴と俺を、ほぼ女手一つで育ててくれた。


養育費もほとんど送ってくれていなかったという。


けど、たまに帰ってきたと思えば、親父はお袋の体を求めた。



まだ幼い俺たちは、両親と同じ部屋で寝ていたときもあった。


けど、いつもお袋の声で目を覚ましては、

幼いながらに衝撃的な光景を目にしてしまい

軽くトラウマになっている部分も、ある。


あげく、お袋は、親父の家の祖母、祖父の介護をしているにも関わらず

二人からは罵声を浴びせられる毎日。


そんなお袋のことを助けるわけでもなく、

ふらっと帰ってきたと思ったら俺たちの前で抱き始める、の繰り返し。