……なんか、いいなあ、こういうの。
少しでもゆづくんの力になれて、嬉しいな。
「……なあ」
「ん? またわからないところ??」
ゆづくんは、真剣な顔で教科書を見つめていた。
「お前、秋に俺の親のこと聞いてたろ」
「……」
やばい。
聞こえてた…!?
「ご、ごめん……っ、他の人の家庭事情なんて聞いちゃいけなかったのに……!!
なんか、ゆづくんのことだから気になっちゃって………!!」
サアアアッと、顔が青くなる。
とりあえず無礼をお許しください!!!
床に、これでもかというくらいに頭をこすりつけて謝った。
「そんな、いい話じゃねーぞ」
「……え?」
上から降ってきたのは、
意外と冷静なゆづくんの言葉だった。
………そのお話は、突然に始まった。



