完全な一人暮らししてるのかなあ。

バイト先のお姉さんは?

一緒に暮らしてないのかな?


「うーん……」


教科書を見ながらうなっていたとき。


「どしたのあず、もう行き詰まったの?珍しい」

「あ、いや……そうじゃなくて」


行き詰まったは行き詰まったけど、問題が解けないってわけではなくて、というか私にとっての問題は数学じゃなくてゆづく……

って何考えてるの私ってば!!


……やばい、このままだと集中できない!!!


せっかくゆづくんのお家でお勉強会なのに!!



「あ、あの、岡本さん」



早速居眠りを始めていた岡本さんに話しかける。


「ゆづくんの親がいないっていうのは……どういう……」


私の言葉を聞いて、眠そうにしていた岡本さんはぱちくりと目を見開いた。


「あーごめん、つい口が滑って……。

つーか本当に頭の中ゆづなんだね、あずちゃん」


「う……」

「あはは、わかりやすくていーと思う」


ひ、否定できないから余計恥ずかしい……!!