あきらめちゃうの!?


「今更勉強しても遅いしな~」


両手を頭の後ろで組み、へらへらっと笑っている岡本さん。


「あー……」


その様子を見ていたひよりが、何か思いついたように手を挙げた。


「なら二人とも、あずに教えてもらったら?」

「え?」

「ひより???」


何を言い出したかと思えば。

私に?

この二人に?

勉強を?

教えろって???


おかげで岡本さんと、絶望に満ちたゆづくんの顔が一気にこちらへと向けられる。


「あず、この間も学年で一桁の順位とってたし頭いいよ?」

「ひ、ひより……っ」


なんで私の順位知ってるし!!

ていうかあんまり大きな声でそういうこと言わないの!!


「まじ!? じゃあ教えてもらえる!? あずちゃん!!」

「!!」


岡本さんが光の速さで私の両手をつかむ。


「あ、は、はい……私でよければ……」



そんな勢いで、そんなキラキラした瞳で言われてしまえば、承諾するしかないでしょう………。



「やりい!! ゆづも教えてもらおうぜ!!」


岡本さんがゆづくんにそう声をかけるも。


「……誰がそんなメガネ女に……」


……デスヨネ!!!

あのゆづくんが、私なんかにお願いするわけないもんね!!

うん、知ってたよ!!!!