つまり先生は、ゆづくんに私を送れと!?
そして私には、ゆづくんに送ってもらえと!?
そうおっしゃるのですか!?
「だっ…!! ちょ…えええ!?」
やっと考えがこの急展開に追いつくやいなや、変な声を上げる私。
いや、無理!!
こんな素敵な筋肉と一緒に帰ったら逆効果だってば……!!
というかなぜゆづくんがコンナトコロニ!?
考えは追いついても状況は理解できないでいた私に、先生が私が倒れてからの事を淡々と説明してくれた。
「和泉さんが倒れた時ね、優樹くんが保健室まで運んでくれたのよ」
「ケッ!!」
いや、ものすごい勢いで嫌な顔された気がしたけど……!?
「……え、ちょ…っと、待って…?」
運んだって…もしかしてもしかしちゃったりしてお姫様だっこですか!?
いや、いくらパーフェクトマッスルだからってさすがにそれはないか!!?
おんぶ!? それとも担がれた!?
何にしても私…あのパーフェクトマッスルに触れた!?
いやあああ何で倒れたの私いいい!!!
倒れてもいいけど意識は失わないでいたかったよ!
だってあんな素敵なパーフェクトマッスルをゼロ距離で拝むことができるチャンスだったんだよ!?
いや、でも倒れなかったら触れることなんてできないから逆によかったのかな!?
だとしても意識がない時点でだめだってやっぱり!
「おい」
「はいいいっ!!」
そうやってもんもんと自問自答を繰り返していた時、低く、ドスのきいた声で呼ばれて思わず背筋が伸びた。



