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「―――ん…」
目が覚めたとき、私はどこかのベッドで横になっていた。
白い天井に白いカーテン。
見覚えがある。
……保健室…だよね?
「あ、目が覚めたわね」
「え」
私の顔を上から覗き混んできたのは、柔らかい表情をした表情の保健の先生だった。
「大丈夫?軽い貧血だと思うけど」
やっぱり貧血かあ。
それにしても、鼻血の出し過ぎで貧血って、かっこ悪すぎでは。
「はい…なんとか」
心配してくれている先生にそう返事をしつつ、まだちょっとくらくらする頭を手でおさえながら、ゆっくりと体を起こす。
うわ、起きただけで視界が結構揺れる。
ここまでひどいのは初めてだけど、きついなあ貧血って。
「もう放課後だけど…帰れそう?」
「あ、はい……」
もうそんな時間なんだ…。
正直まだぐらぐらと視界が揺れているし、不安だ。
「……っ」
けど、いつまでもここにいるわけにも行かないし…。
ゆっくり歩いて帰れば大丈夫かもしれない。



