「さようならー」

放課後、騒がしい通学路を私は1人で歩く

亜由があの言葉をいった後、木下君の回りには人だかりができた

やっぱりみんな彼に興味があったんだ

ほんと、さっきまで誰も居なっかたのが嘘みたい

彼自身もどう対応して良いのか分からず困惑していた

でもきっと彼はこれからクラスの中でうまくやっていけるだろう

悩みが減って良かった

そんな事を思いだしながらいつも通り豪邸の前を通って煙が充満しているであろうあの家に帰ってきた

実は私のおんぼろアパートとは似ても似つかないそれはそれは大きな家、いわゆる"豪邸"とよばれるものがなんとアパートの目の前にある

アパートから大きなお庭が見えるんだけど、とっても豪華なの

大きなバラの花畑

ロイヤルな椅子と机のセット

美しい噴水

で、毎日私が学校から帰って来るぐらいの時間に格好いい黒のベンツが家の中に入っていくの

もうまさに完璧!って感じ

いや、待って。1つだけ気になる物がある

それは庭の一角にある手作り感満載の木のブランコ

昔から使っていた物なのか、色々な所が傷ついている

あれだけなんか不自然なんだよね

別に無くても良い気がするんだけど…

まあ、家の事情があるんだよね、きっと

ちなみにここは最近成功した会社の社長の家らしい

私がこの家に来たときはただの空き地だったから相当最近成功したんだろう