「ただいまー」

ドアを開けたら煙がもわっと出てきた

だけどこれはいつものこと

私は気にせず家のなかへ

居間に行くとやっぱりお母さんが小さな丸テーブルにもたれかかってタバコを吸っていた

そう、私のお母さんは超がつくほどのヘビースモーカー

その為、家のなかは常に煙が充満している

窓を開ければ良いじゃないかと思うかもしれないが、残念ながらこの家には窓がない

更にお母さんは業績最悪なフリーターでもある

まあ、要するにダメダメなお母さんなのだ

だから、家事の一切は私がやっている

正直、けっこう大変

「ゆ~か~、今日の夜飯何~?」

お母さんがタバコを吸いながらかばんを下ろしていた私に聞いてくる

「今日は肉じゃがだよ」

そう言いながら台所へ向かう

「お、やった、今日肉じゃがか。」

お母さんが笑顔になる

「じゃ、よろしくね♪
あと洗濯物、洗面所にてきとーに放り投げといたからよろしく」

そう言うとお母さんはまたタバコを口にくわえた

全く無責任な

肺の弱かったお父さんがいたときは全然普通のお母さんだったのに

そう思いながら小さな冷蔵庫を開ける

しかし中には2人分の肉じゃがを作るのに必用な最低限の食材と調味料しか入っていない

気づいた人もいるだろうが私の家は貧乏

ほんと、あのタバコを買うお金はどこにあるのか…