私の命は、君がくれた最後のプレゼント。

「…木下君、始業式が始まるよ」

私は慎重に話しかけた

廊下側から感じる痛い目線は無視よ、無視

「え、もうそんな時間?」

木下君がこっちに振り返りながら答える

「うん。もうみんな並んでるよ」

「分かった」

それだけ言って木下君は立ち上がり、列の方へ向かった

だけど一瞬見えた彼の顔は…とても辛そうだった

私が話しかける前はまだ穏やかだったのに

やっぱり話しかけない方が良かったんだ

「…木村さん?並ばないの?」

まだ席の後ろに突っ立っていた私に木下君が教室の出口から声をかけてくれた

辛そうな顔はもうしていない

「あ、うん、ごめん。並ぶね」

私は急いで列の中に入った