「俺トイレ借りてもいい?」



『いいよ、

扉を開けて左側がトイレだよ』




翔が居なくなって、成さんと2人きりの空間。





「葉月さ、なんで俺に翔と一緒に撮影するって言わなかったの?」





『それは、』




言ったら成さんは行かせてくれなかったでしょ?





『特別言うことでもないかなって思ったから、』




今更私と翔の事を気にするの?
私と翔を近づけたのは、成さんだよ?





「ふーん、まぁ、そうだよね。」




なんか、気まずい。
成さん怒ってるかな、




「え、何この暗い雰囲気。」



戻ってきた翔は、とことん空気がよめない。




『なんでもないよ、』




それから翔と成さんは二人でずっと話していた。




私がお風呂に入っている間に、翔はこの家に泊まることになったみたい。




成さんは何を考えてるんだろう。




私が翔いることを避けたいはずなのに、何かを試してるの?



成さんは、そんなにも臆病になったんだね。



成さんは私の気持ちに気づいてる。



だからこそ、翔を家に泊めたんだ。




「葉月、」



『なに?
あれ、翔は?』




「翔ならお風呂行ったよ。」



何だろう、成さんの目が怖い。
いつもの優しい目じゃない。




何かに怯えているような、何かを捕らえようとしているような。




『部屋に戻るね。』




危険な気がした。
何故かわからないけど、逃げなきゃダメな気がした。




「葉月っ、」



成さんに呼ばれた瞬間、
私の体は大きく動いた。



『成さんっ!
何してるの?!』



私の腕を力強く引っ張り、私を抱き寄せた。