翔に言われた瞬間、もうダメだと思った。




好きだ。その一言で私の心は満たされた。





『翔っ…』




もう、隠すことは無理なのかもしれない。



私はなんて、弱い人間なんだろう。




「やっと、呼んでくれたな。」




その優しい声、1度も忘れた事は無かった。



私の大好きな人の声。
いままでは、こんなにも近くにいるの遠くに感じていた。



だけど、今はすぐ届く場所にいる。




『翔、ごめんね。』




今まで、ごめんね。
たくさん傷つけた。



お互いたくさん傷ついた。



だからもう、2人共傷つかなくていい。



「葉月、」



お互いゆっくり近づき、抱きしめあった。




懐かしい匂いがした。
周りの音が聞こえなくなるぐらい、翔に夢中だった。



もう、この想いは止められない。





「葉月、俺と付き合おう?
また、あの頃の俺らからやり直そう」




うん、そう言いかけた時。



私のスマホに電話がかかってきた。