きっと私は酷い人なんだろう。




こんな事を考える時点で、翔の事を忘れるつもりも、翔から離れるつもりもないんだ。





「葉月、なんで分かってくれないんだよっ。

どうして、俺の気持ちが分からないんだよ。


どんだけ、辛い思いをしたかっ!」




そんなの全部分かるよ。




だって、私もそうだったからっ。
翔と同じ気持ちで、同じ日々を過ごしてきたんだから!




『もう、
私は昔の私じゃないんだよっ!』




もういっそのこと嫌われた方が楽かもしれない。




翔に冷たく当たることで、壁を作れるかもしれない。




「昔の葉月と違っても、葉月は葉月だろ?!

何が違うんだよ!」




ああ、ダメかもしれない。
翔の一言一言が私の胸を、
高鳴らせる。




もう、引き戻れないところまで来てしまったのかもしれない。




でも、もし私が翔を選んだら成さんはどうなる?





あの時のように、1人にしてしまうの?





私が成さんを1人にしたようなものなのに。