「なぁ、俺さ。

葉月が転校してきてくれて、本当嬉しかった。」





えっ?






「突然居なくなった葉月が、今目の前にいるって思うと嬉しくてしょうがなかった。


どうして急に居なくなったのかとか、色々問い詰めてやろうと思ってた…


だけど、実際に会ってみるとそんなのどうでも良くて。


やっと会えたって、それだけしか頭になかった。でも、葉月は前の葉月じゃなかった。


前の元気で明るくて、やんちゃな葉月は居なくなってたんだ。」






『千葉君、急にどうしたの?』





辛いよ…
翔の話を聞けてすっごく嬉しいのに。






どうして私は知らないふりなんかしなきゃいけないの…





「葉月、俺あの時の本当の事が知りたい。


なんで葉月の親は残って、葉月だけ居なくなったのか。


どう考えてもおかしいだろ?
なぁ、教えてくれよ。」






そんなの、教えられるわけないよ。





今話せるなら、
もっと前に話してたよ。





あの時別れの言葉を言っていたはずだよ。