「あ、そうだったのか。
なんか、ごめんな。」







そんなに気にしなくていいのに。








『親はちゃんと生きてますよ?
ただ、色んな事情があるだけです。』







親はちゃんと生きてる。






だけど、あの日から私は成さんと一緒に暮らすことになった。







「伊藤、俺が呼んだら教室に入って来いよ。」






教室に入っていった先生。
胸がざわついた。





まるで私に教室に入るなと言っているかのように。







「じゃあ、伊藤入って来い。」







この時に気づいていればよかった。






気付かずに私は足を踏み入れた。