授業後に提出しなければいけないノートに、黒板の内容を書き写し終わっていなかった私は、提出に行く当番の真鍋くんを待たせていた。


『吉木、早くしろよ。帰れないだろ』


『ご、ごめん』


遅いうえに焦りも加わって、書き間違いばかりしてしまう私に真鍋くんは苛立っているようだった。


『…あ』


掃除のため、写し終わっていない部分の黒板の文字まで消されてしまっていた。


『え?あ、ごめん。まだ書いてた?』


悪気はなかったらしく、慌てた様子で掃除当番の遠藤さんが謝っていた。


『黒板消されちまたったし、もういいだろ』


『…でも』


その時、神宮寺くんが真鍋くんに声をかけた。