『どうして、私は生まれたの』


あの時から、私は誰にも愛されていないのだと知った。


何をするにも遅くて、要領の悪い私はいつも人を苛立たせてしまう。


担任の先生さえ嫌な顔をしていたくらいだから、かなりのものなのだろう。


何人かに呼び出されたこともあったし、私だけ外されることもあった。


昔は事あるごとに傷ついて、自分を責めていた。

…今でも、少しは傷つくけど。


それでも、家に帰って散々泣いて、朝起きたらママが居て、その度に私の居場所はここなんだって思うことができた。


『おかえり』って言うと『ただいま』って返してくれるママのことが大好きだった。


でも、答えを返してくれなかったあの時から、私は、ママにさえ必要とされていないのだと知った。


どんなに失敗をしてもママが怒らなかったのは、私を認めてくれていたからじゃなく、私を見ていなかったからなのだと知った。