「…っ、ふっ、ふぅぅ…どうし、て?」


どうして電話に出てくれないの?


昨日までなら、こうして泣くたびに翼くんが抱きしめてくれていたのに。


また私は、一人ぼっちになってしまうの…?



結局、この事実を知ったところで何をどうすることもできなくて、眠れないまま朝を迎え、計画をしていた通りに私は学校へ行く準備をし、寝ているママに「行ってきます」と言って家を出た。


駅に着くと、コインロッカーから荷物を取り出し、トイレで私服に着替える。


トイレから出て、待ち合わせの改札口に行くと、外は雨が降っていた。



待ち合わせの時間から一時間ほどがたったが、翼くんは来ない何度か電話をかけてみても、聞こえるのは電子音だけだった。


もう少し、もう少しと待っている間に、気がつけば五時間がたっている。


雨のせいか、肌寒く感じる。