「教えたって、なにを」


「あなたたち二人が兄妹だってことを」


「え?」


麗子ちゃんからどんなことを言われるのか身構えていたつもりではあるが、想定外のことを言われ意味が分からなかった。


「ちゃんと証拠だってあるんですよ」


麗子ちゃんは鞄から封筒を取り出し、私に差し出した。
「DNA鑑定をしたんです。差し上げますね。まあ、見ても見なくてもいいですけど、同じものを翼にも渡してあります」


「ちょっと待って。言ってることが、分からない…」


「そのままの意味ですよ」


血の気が引けていくのが分かる。


「だって、私たちは同級生で親も別々で…」


受け入れたくない気持ちと、何をどうしたらそうなるのかが分からず、頭のなかは空回っている。