あれから数日たった。
いつもと変わらないはずなのに、どうしてか凛翔に対する気持ちがおかしい。
いままで、普通の男女より距離が近いなんて言われてきたけどそれが当たり前だった。
だけど、凛翔があたしに触れるとドキドキするの。
他の人には感じない変化に戸惑い中。
あたし、どうしちゃったんだろう。
生徒会の仕事もついボヤっとしちゃうし、ダメだなぁ。
「桜月?どうしたの?心ここにあらずって感じだけど」
響は、あたしの顔の前で手をヒラヒラさせながら言う。
「え?あ!ごめん!」
ハッとして、慌てて謝る。
「仕事のしすぎかも。気晴らしにグランドとかでてみれば?凛翔が部活やってるんじゃない?」
響に言われ、あたしは素直に頷くと生徒会室を出た。
少し休憩したら戻ろう。
あたしは響に従って凛翔の部活を覗いてみることにした。
裏庭からまわってグランドにでると、声が聞こえてくる。
「凛翔くん、1年生のうちからレギュラーだし生徒会もやっててすごいよね!」
凛翔…?
「いやいや、まだ全然ですよ!」
先輩と話してるのかな。
「うちもマネージャーとして、どんどんサポートしていくから、なんでも言ってね!」
「もう、凛翔くんの専属マネージャーになろうかなー?」
可愛らしい声でそんなことを言う先輩。
てか、凛翔の腕に自分の腕を絡めてるし!
先輩と後輩ってあらわし方であってるよね?
そのくらい近くて、他の人が見たらカップルに見えちゃうほどの距離。
凛翔もなんか嬉しそう??
そう思ったら急に胸が苦しくなって、泣きたくなった。
そんなに近づかないで…
え?なんでそう思うの?
凛翔が何をしようが凛翔の自由じゃん。
自分に言い聞かせるけど、嫌って思いのほうが強くてあたしはその場を走って離れた。
なんでこんなに苦しくなるの?
星叶たちなら分かったりするのかな。
生徒会室に入ると星叶を引っ張って連れ出した。
「どうしたの?桜月!なにかあった?」
優しくあたしの顔を覗き込む星叶。
「ねぇ、苦しいの…。凛翔が他の女子と話してる時とか…」
最近感じはじめたことを星叶に話した。
星叶は、急にニヤニヤしだす。
「やっとか、良かったねー凛翔♪」
ここに凛翔はいないのにそんなことを呟く星叶。
「それはさ、凛翔が好きってことだよ!」
すき…?
あたしが凛翔を?
いやいや!ないない!!
だって、凛翔はお兄ちゃんみたいな存在で好きって、そんな意味はないよね?
「その好きって、恋の?」
あたしの問いかけに星叶はポカーンとした顔をする。
「それ以外になにがあるわけ?」
さも当たり前かのような言い方。
それは、ただの好きって、意味ではないと思うけど。
信じられないって言うか…。
どうしよう。意識しだしたら急に凛翔に会うのが恥ずかしくなってきた。
普通に話せるかな?
とりあえず、あたしたちは生徒会室に戻って仕事の続きを終わらせた。
「桜月!先生に呼ばれちゃったから先に教室いってて!」
早口にそう言った星叶は、返事をする前にいなくなってた。
まだ、凛翔たちは部活終わらないし、1人で教室に戻っていく。
「会長さん♪」
後ろからあの可愛らしい声で呼ばれる。
「はい?なんですか?」
クールモードのあたしに勝手に変わる。
「凛翔くんの専属マネージャーでーす!」
「でね、会長さんには凛翔くんから離れてもらいたいの。うちが凛翔くんの1番になりたいからさっ」
可愛らしい顔が悪魔に見える。
どうしてこの人に離れてもらいたい、なんて言われなきゃいけないの?
凛翔に彼女ができたら幼なじみと言う立場さえ失わなきゃいけないの?
15年も一緒にいるんだよ。
その15年は、最近出会ったばっかりの先輩にあたしたちの絆を壊されちゃうほど脆いものだったのかな?
「それ、専属マネージャーの貴方如きが言えることですかね?」
あぁ、こんなこと言いたい訳じゃないのにクールなあたしが勝手にでてくる。
「は?なんなの?優しいから、最初は丁寧にお願いしてあげたのに、何様な訳?あんた」
急に豹変する先輩。
そうかな、とは思ってたけどね。
悪魔じゃなきゃ離れて、なんて言ってこないもん。
「彼女になったつもりですか?
それでも、あたしは離れたりしませんよ。
特に、他人に言われて離れるのは嫌なので」
散々言われてきた。
小学校の頃はあんまり目立たないようにだてメガネと長めの前髪とで顔を隠してきた。
でも、それじゃあダメだって分かったから。
凛翔の側にいたいなら本当のあたしのままで立ち向かわなきゃいけないって知ったから。
「そもそもあんたの事嫌いだったんだよね。
1年のくせに生徒会長やってるし、凛翔くんの隣にいるのはいつもあんただし。
正直、あんただいぶ嫌われてるんだからね」
先輩は躊躇なくズバズバ言ってくる。
「誰が嫌われてるって?」
聞き慣れた安心する声に思わずふりかえると、そこには凛翔も響も星叶もいて。
「この学校で1番の人気者に何言ってんだよ、下級クラスの女が」
凛翔は軽蔑した表情で先輩を見下ろす。
「凛翔くん?なに、言ってるの…?」
急に青ざめる先輩。
やっぱり困ってる時は必ず助けてくれる。
テレパシーでも送ってるんじゃないかってくらいすぐ気づいてくれて駆けつけて来てくれる。
「勝手に名前で呼ぶのやめくれる?
最初から分かってんだよ、お前の腐った性格の事なんて」
「そこそこ有名じゃん、男食い散らかしてるってさ?」
そうなの?!先輩ってそんな人だったの?
「あぁ、なんなの。もう、飽きちゃった♪」
凛翔の前でも悪魔に戻った先輩を見て思わず驚いてしまう。
「そうだよ。男なんて、ちょっと笑いかければみんな落ちるんだもん」
「勝手に落ちた方が悪いくせに、彼氏をとったとか…いやいや!あんたの魅力不足でしょって」
そう言うと先輩は笑いだした。
「そう、恋愛はゲームなのっ
だから、落ちた方が負け。
みんなうちの魅力にやられちゃうの」
「でも、あんたとあんたはうちの事なんて目にはいってなかった。それが悔しかった。
南くんの弱みは会長でしょ?
だから、利用しようと思って。
落とすためには手段は選ばない。」
最後にニヤッと笑うと手をひらひらふってどこかへ消えた。
なんなのって、こっちのセリフだっつーの!
なんであんな最低女に振り回されなきゃいけないの?!
強がって離れないとか言ったけど本当は危なかったんだから…
やっぱり怖いものは怖いしね。
「ありがとっ、助けてくれて」
あたしは笑顔でお礼を言う。
やっぱり、この3人から離れられないな。
いつもと変わらないはずなのに、どうしてか凛翔に対する気持ちがおかしい。
いままで、普通の男女より距離が近いなんて言われてきたけどそれが当たり前だった。
だけど、凛翔があたしに触れるとドキドキするの。
他の人には感じない変化に戸惑い中。
あたし、どうしちゃったんだろう。
生徒会の仕事もついボヤっとしちゃうし、ダメだなぁ。
「桜月?どうしたの?心ここにあらずって感じだけど」
響は、あたしの顔の前で手をヒラヒラさせながら言う。
「え?あ!ごめん!」
ハッとして、慌てて謝る。
「仕事のしすぎかも。気晴らしにグランドとかでてみれば?凛翔が部活やってるんじゃない?」
響に言われ、あたしは素直に頷くと生徒会室を出た。
少し休憩したら戻ろう。
あたしは響に従って凛翔の部活を覗いてみることにした。
裏庭からまわってグランドにでると、声が聞こえてくる。
「凛翔くん、1年生のうちからレギュラーだし生徒会もやっててすごいよね!」
凛翔…?
「いやいや、まだ全然ですよ!」
先輩と話してるのかな。
「うちもマネージャーとして、どんどんサポートしていくから、なんでも言ってね!」
「もう、凛翔くんの専属マネージャーになろうかなー?」
可愛らしい声でそんなことを言う先輩。
てか、凛翔の腕に自分の腕を絡めてるし!
先輩と後輩ってあらわし方であってるよね?
そのくらい近くて、他の人が見たらカップルに見えちゃうほどの距離。
凛翔もなんか嬉しそう??
そう思ったら急に胸が苦しくなって、泣きたくなった。
そんなに近づかないで…
え?なんでそう思うの?
凛翔が何をしようが凛翔の自由じゃん。
自分に言い聞かせるけど、嫌って思いのほうが強くてあたしはその場を走って離れた。
なんでこんなに苦しくなるの?
星叶たちなら分かったりするのかな。
生徒会室に入ると星叶を引っ張って連れ出した。
「どうしたの?桜月!なにかあった?」
優しくあたしの顔を覗き込む星叶。
「ねぇ、苦しいの…。凛翔が他の女子と話してる時とか…」
最近感じはじめたことを星叶に話した。
星叶は、急にニヤニヤしだす。
「やっとか、良かったねー凛翔♪」
ここに凛翔はいないのにそんなことを呟く星叶。
「それはさ、凛翔が好きってことだよ!」
すき…?
あたしが凛翔を?
いやいや!ないない!!
だって、凛翔はお兄ちゃんみたいな存在で好きって、そんな意味はないよね?
「その好きって、恋の?」
あたしの問いかけに星叶はポカーンとした顔をする。
「それ以外になにがあるわけ?」
さも当たり前かのような言い方。
それは、ただの好きって、意味ではないと思うけど。
信じられないって言うか…。
どうしよう。意識しだしたら急に凛翔に会うのが恥ずかしくなってきた。
普通に話せるかな?
とりあえず、あたしたちは生徒会室に戻って仕事の続きを終わらせた。
「桜月!先生に呼ばれちゃったから先に教室いってて!」
早口にそう言った星叶は、返事をする前にいなくなってた。
まだ、凛翔たちは部活終わらないし、1人で教室に戻っていく。
「会長さん♪」
後ろからあの可愛らしい声で呼ばれる。
「はい?なんですか?」
クールモードのあたしに勝手に変わる。
「凛翔くんの専属マネージャーでーす!」
「でね、会長さんには凛翔くんから離れてもらいたいの。うちが凛翔くんの1番になりたいからさっ」
可愛らしい顔が悪魔に見える。
どうしてこの人に離れてもらいたい、なんて言われなきゃいけないの?
凛翔に彼女ができたら幼なじみと言う立場さえ失わなきゃいけないの?
15年も一緒にいるんだよ。
その15年は、最近出会ったばっかりの先輩にあたしたちの絆を壊されちゃうほど脆いものだったのかな?
「それ、専属マネージャーの貴方如きが言えることですかね?」
あぁ、こんなこと言いたい訳じゃないのにクールなあたしが勝手にでてくる。
「は?なんなの?優しいから、最初は丁寧にお願いしてあげたのに、何様な訳?あんた」
急に豹変する先輩。
そうかな、とは思ってたけどね。
悪魔じゃなきゃ離れて、なんて言ってこないもん。
「彼女になったつもりですか?
それでも、あたしは離れたりしませんよ。
特に、他人に言われて離れるのは嫌なので」
散々言われてきた。
小学校の頃はあんまり目立たないようにだてメガネと長めの前髪とで顔を隠してきた。
でも、それじゃあダメだって分かったから。
凛翔の側にいたいなら本当のあたしのままで立ち向かわなきゃいけないって知ったから。
「そもそもあんたの事嫌いだったんだよね。
1年のくせに生徒会長やってるし、凛翔くんの隣にいるのはいつもあんただし。
正直、あんただいぶ嫌われてるんだからね」
先輩は躊躇なくズバズバ言ってくる。
「誰が嫌われてるって?」
聞き慣れた安心する声に思わずふりかえると、そこには凛翔も響も星叶もいて。
「この学校で1番の人気者に何言ってんだよ、下級クラスの女が」
凛翔は軽蔑した表情で先輩を見下ろす。
「凛翔くん?なに、言ってるの…?」
急に青ざめる先輩。
やっぱり困ってる時は必ず助けてくれる。
テレパシーでも送ってるんじゃないかってくらいすぐ気づいてくれて駆けつけて来てくれる。
「勝手に名前で呼ぶのやめくれる?
最初から分かってんだよ、お前の腐った性格の事なんて」
「そこそこ有名じゃん、男食い散らかしてるってさ?」
そうなの?!先輩ってそんな人だったの?
「あぁ、なんなの。もう、飽きちゃった♪」
凛翔の前でも悪魔に戻った先輩を見て思わず驚いてしまう。
「そうだよ。男なんて、ちょっと笑いかければみんな落ちるんだもん」
「勝手に落ちた方が悪いくせに、彼氏をとったとか…いやいや!あんたの魅力不足でしょって」
そう言うと先輩は笑いだした。
「そう、恋愛はゲームなのっ
だから、落ちた方が負け。
みんなうちの魅力にやられちゃうの」
「でも、あんたとあんたはうちの事なんて目にはいってなかった。それが悔しかった。
南くんの弱みは会長でしょ?
だから、利用しようと思って。
落とすためには手段は選ばない。」
最後にニヤッと笑うと手をひらひらふってどこかへ消えた。
なんなのって、こっちのセリフだっつーの!
なんであんな最低女に振り回されなきゃいけないの?!
強がって離れないとか言ったけど本当は危なかったんだから…
やっぱり怖いものは怖いしね。
「ありがとっ、助けてくれて」
あたしは笑顔でお礼を言う。
やっぱり、この3人から離れられないな。