相変わらず、三好さんと私の距離は縮んでいない。
それどころか最近は「家族」みたいな空気感さえ感じてしまう時さえある。

これって、かなりマズイよね。

分かってはいるけど、どうにも動けずにいるのだ。
気持ちを遠回しに伝えたのに、伝わっていなかったし。
三好さんは私を子ども扱い……いや、妹みたいに扱ってくる時がある。
親しくしてもらえることは嬉しいし、ドキドキもするんだけど。
どうにも、もどかしい状況なのだ。


「口直しに、ミルクティーでも作ろうか?」なんて言ってくれちゃう三好さんに、口を尖らせて「お願いします」と答える。


あぁ、三好さんにとって完全に恋愛対象外なんだなぁ……私。


カウンター席に移動して椅子に座り直す。
テーブルに肩肘をつき、向かい合っている三好さんを見つめてみる。


見れば見る程、やっぱりイイ男だなぁ。


今日はライトブルーの爽やかな色合いの長袖シャツを腕まくりして、やっぱり第一ボタンは外しているから。
何気なく色気がダダ漏れしてることを、三好さんは気づいているのだろうか。
それとも、そんな計算など全くしていないのかな。


ちぇっ。
ドキドキしているのは、やっぱり私だけか。