お店のドアに鍵をかけている三好さんの背中を見つめながら「なんだか一緒に暮らしている部屋から、二人でお出かけするみたいだな」なんて考えてしまっているお花畑ちゃんは私だ。
「よし、行こっか」
「はい」
買い出しをするスーパーまでの道のりを並んで歩く。
外は気持ちのいい風がそよいでいて、時折その風が髪をさらい舞い踊る。
肩を並べて歩いている三好さんに視線を向けると、彼の栗色の髪も同じようにフワフワと風に乗っていた。
「沿道を歩く二人を、恋人同士だと見てくれる人が居たらいいな」などと考えながら、三好さんと他愛もない会話を楽しみながらスーパーを目指した。
到着したスーパーでは、カゴを乗せたキャスターを担当する。
「重くなるからいいよ」と断られてしまったけれど、そこは強引にでも担当させてもらう。
だって、私にできることはこれ位だから。
食材の目利きも三好さんには敵わないだろうし、そもそも三好さんにくっついて来ただけなんだもん。
「今日は歩きだから、必要最低限のみ買って行こう。重たいものは後日、車で買いに来るよ」
「その時は、またお供しますよ。可愛い女子が一緒の方が楽しいでしょ?」
「ふふっ。そうだね」



