顔を上げると、そこには驚いて目を大きく見開いた翔くんがいた
「翔くんっ!」
私は思わず翔くんに抱きついた
「うおっ!なんだよ!」
「ごっ、ごめんな…さいっ…うぅ…」
「え?!泣いてんの?!」
翔くんは驚いた声をあげる
「だってぇ… 翔くん、いないっ…から。私が言い過ぎたから…居なく…なっちゃったのかなって…」
翔くんになにかあったら自分のせいだ
翔くんが傷ついたらどうしよう
翔くんが冷たいところで一日過ごしてたらどうしよう
そう考えたら自然と私は涙を流していた
心配で心配で居てもたってもいられなかった
「翔くん… ごめんね…」
翔くんが私の頭を撫でた
「え…?」
「お前、まじでアホなのな」
「え!」
ア、アホ?!
でも私のせいで翔くんが家を出たのは本当なんじゃ…
「急にあんなことした俺が悪い。花蓮は悪くないだろ?
あんなことして…ごめん
それに、俺が居なかったのは家を出て行きたかったわけじゃない」
「じゃあ、どうして…」
すると翔くんはビニール袋を私に見せた
「これ…」
「悪かったと思って… どうやって謝ればいいか分からなくて、買ってきた…」
中には色んなスイーツが入ってた
アイス、ケーキ、プリン…
「私のために?」
「そうだよ」
「ありが…とう」
胸がキュッとなって、嬉しくて
翔くんが無事だったことに安心して
私はまた
「うえっ…ぐすっ」
「は?!なんで?!」
「翔くん無事でよかったよぉぉ… 甘いの美味しそうだよぉぉ… ウワーン…」
おい!泣くな!と慌てる翔くんにお構い無しに泣いてしまう私
