私がもうすぐオムライスを作り終えるところで翔くんがいきなり隣に来た
「なに?」
「どの皿使うの」
え、手伝ってくれるつもり?
なんだ、やっぱり王子様の優しさは全部が全部嘘じゃないんだ
少し嬉しいし、少し心が安らぐ
「その、少し広いやつ!」
「あ、これね」
それから翔くんはフォークとスプーンも用意してくれて、サラダの入ったボウルをすっごく嫌な顔をしながらテーブルに運んでくれた
「それじゃあいただきます!」
「いただきます」
オムライスを口に運ぶ翔くんをみつめる
き、緊張する…
口に合わなかったらどうしよう…
コンビニに行くの引き止めたくせに美味しくなかったら最悪だ
「美味しい?」
「…」
何も言わずにまだモグモグしてる翔くん
わぁ、可愛い
って何を考えてるんだ私は
と思っていたら、翔くんが笑顔になっていく
あ、さらに可愛い…
あぁ、だからそうじゃなくて!
「うまい」
「へ?」
「うまい!思ったより出来るんだね」
「ほんと?!よかった〜」
翔くんの笑顔と言葉に胸があったかくなる
誰かに美味しいって言ってもらえるのは嬉しい♪
頑張って作ってよかったな〜…
でも、『思ったより』は一言余計かな
