え―、メンドクサー。


 「やだね」

 『なんで?いいじゃんそれくらい』

 「だって、私にメリットないし」


 残念ながら私はそんなに優しい人間じゃないんですよ~


 『えぇ?ケチケチケチッ』


 なに、しつこすぎるでしょ。しかもうるっさいし。


 「ウザイ。もう切るよ」


 こういうときは早く切るに限る。


 『ハーイ。分かりました、諦めます』

 「ん、初めからそう言っとけばよかったのよ。じゃね」


 そういうと返事も聞かずにすぐ電話を切った。


 「はぁ、ダル...」


 なんであんなにしつこかったんだか。

 ケータイなんて部活のときいらないでしょ。


 さて、もう帰ろうとかばんを持って扉の方を向いた。そのとき、


 「えっ、嘘・・・でしょ」

 「・・・」


 扉の前に、地っ味ーな男子が立っていた。