気がついたら、もうすっかり陽は落ちていて、窓の外は真っ暗になっていた。
「できました。見ていただけますか?」
声をかけると、御堂さんは私のデスクまでやってきて、腕を組みながらしげしげとパソコンのディスプレイを眺めた。その横で黒木さんが固唾を飲んで見守っている。
「黒木くんは、どう思う」
「えっと、僕は……」
黒木さんはディスプレイに目を近づけたり離したりしながら、悩み始めた。
「曲線を組み合わせたこの装飾は、オリジナリティがあっていいかと。それから、淡いピンクやグリーンも、女性受けがいいですし――」
そこまで言ったところで、御堂さんはため息をついた。
「褒めてばかりじゃ、真剣にやってくれた彼女に失礼だ。俺が君のデザインをチェックするときみたいに、プロとしての指摘をしなさい」
「ええ……」
黒木さんは明らかに嫌そうな顔をしたけれど、決意を固めたのか、ごくりとひとつ空気を飲み込んで口を開いた。
「まず、会社情報の背景に装飾が被っているのが気になります。それから、このラインとこの文字の始点は合わせた方がいいです。あと、色味が繊細すぎて他の商品に埋もれてしまうかも……」
ここまで言い終わったところで、はたと黒木さんが言葉を止めた。自分が悪者役を買わされたことに気づいたらしい。
「ぼ、僕ばかりじゃなくて、社長はどう思ってるのか教えてくださいよ!?」
そうごまかして場所を譲ると、代わりに御堂さんが腕を組んだまま真剣な眼差しでディスプレイを見つめた
「できました。見ていただけますか?」
声をかけると、御堂さんは私のデスクまでやってきて、腕を組みながらしげしげとパソコンのディスプレイを眺めた。その横で黒木さんが固唾を飲んで見守っている。
「黒木くんは、どう思う」
「えっと、僕は……」
黒木さんはディスプレイに目を近づけたり離したりしながら、悩み始めた。
「曲線を組み合わせたこの装飾は、オリジナリティがあっていいかと。それから、淡いピンクやグリーンも、女性受けがいいですし――」
そこまで言ったところで、御堂さんはため息をついた。
「褒めてばかりじゃ、真剣にやってくれた彼女に失礼だ。俺が君のデザインをチェックするときみたいに、プロとしての指摘をしなさい」
「ええ……」
黒木さんは明らかに嫌そうな顔をしたけれど、決意を固めたのか、ごくりとひとつ空気を飲み込んで口を開いた。
「まず、会社情報の背景に装飾が被っているのが気になります。それから、このラインとこの文字の始点は合わせた方がいいです。あと、色味が繊細すぎて他の商品に埋もれてしまうかも……」
ここまで言い終わったところで、はたと黒木さんが言葉を止めた。自分が悪者役を買わされたことに気づいたらしい。
「ぼ、僕ばかりじゃなくて、社長はどう思ってるのか教えてくださいよ!?」
そうごまかして場所を譲ると、代わりに御堂さんが腕を組んだまま真剣な眼差しでディスプレイを見つめた



