「愛しているよ……華穂……」

そう囁きながら、私の肌を丁寧になぞっていく。
彼の舌が、唇が、あらゆるところを湿らせていって、気がふれてしまいそうだった。

「……ゆう……ひ……」

漏れた声と吐息に、ほんの少しの不安が混じる。いつの間にか、呼吸が絶え絶えになっていた自分を知る。
すぐに彼は気がついて、拭い去ろうと優しく微笑んだ。

「怖がらないで、華穂……」

そっと私の額に口づけて、丁寧に頬を撫でてくれる。

「大切に……大切にするね……俺の愛しい人」

頷いた私に再び微笑みを投げると、ふたりの間を阻むシーツをそっと外して、身体を重ねた。

敷き詰めた花びらの、紅い視界と妖艶な芳香、滑らかな肌触り、そしてそこに絡みつく彼の感触で、理性が侵食されてしまって――

「……あぁ……」

耐え切れなくて、何度も何度も喉の奥から吐息が漏れる。それは彼も同じで、シンとした部屋にふたりの荒い息遣いだけが響く。

その甘い抱擁で、愛情を一心に注いでもらえる私は誰よりも幸せものだと思った。