私と千里さんの仲を夕緋が知ったのはつい先日。
デザイン会社M’sの事務所近くのカフェで私たちが楽しそうに会話しているところを目撃してしまった夕緋。
元婚約者と今カノという設定の私たち、異例の組み合わせに肝が冷えたらしい。
どうしてそんなに仲良しになったの? その問いには「女の秘密」とごまかしている。
今日私が着ているスカートとトップスは千里さんが見立ててくれたものだ。
そもそも千里さんは小さい頃から夕緋を追いかけ続けてはいたものの、それはそれとして彼氏はいたらしい。それも途切れることなく。
お恥ずかしながら、私よりずっと経験豊富で男性からの目線を熟知している。
というわけで、彼女は私なんかより男性から愛されるファッションを理解していて「こんな服装どうでしょうか? 華穂さんが百倍かわいくなると思うんです」なんて謙遜しつつ提案してくれる。
「ところで華穂、スカートなんて珍しいね」
夕緋は私の全身を眺めながら、不思議そうな顔をした。
「華穂が選ぶような服じゃない。……また千里に選んで貰ったの?」
「はい。今日のコンセプトは『私の女性的な魅力を百倍引き出せる服』だそうです」
「悪いことばっかり教えるな千里は。頼むからこれ以上魅力なんて引き出さないでくれ」
そう頭を抱えながら私をソファへ引き導くと、彼も隣に腰を降ろした。
デザイン会社M’sの事務所近くのカフェで私たちが楽しそうに会話しているところを目撃してしまった夕緋。
元婚約者と今カノという設定の私たち、異例の組み合わせに肝が冷えたらしい。
どうしてそんなに仲良しになったの? その問いには「女の秘密」とごまかしている。
今日私が着ているスカートとトップスは千里さんが見立ててくれたものだ。
そもそも千里さんは小さい頃から夕緋を追いかけ続けてはいたものの、それはそれとして彼氏はいたらしい。それも途切れることなく。
お恥ずかしながら、私よりずっと経験豊富で男性からの目線を熟知している。
というわけで、彼女は私なんかより男性から愛されるファッションを理解していて「こんな服装どうでしょうか? 華穂さんが百倍かわいくなると思うんです」なんて謙遜しつつ提案してくれる。
「ところで華穂、スカートなんて珍しいね」
夕緋は私の全身を眺めながら、不思議そうな顔をした。
「華穂が選ぶような服じゃない。……また千里に選んで貰ったの?」
「はい。今日のコンセプトは『私の女性的な魅力を百倍引き出せる服』だそうです」
「悪いことばっかり教えるな千里は。頼むからこれ以上魅力なんて引き出さないでくれ」
そう頭を抱えながら私をソファへ引き導くと、彼も隣に腰を降ろした。



