テーブルに近づくと、置かれていたケーキの華やかさに思わず言葉を失ってしまった。
まるでウェディングケーキのように大きくて、鮮やかに飾りつけられている。
真っ白な生クリームの台座に、苺やラズベリーなどの赤い果物がふんだんに乗せられていて、中央にはマカロンタワー。
繊細な飴とチョコレートの細工が、ちょっとでも息を吹きかければ倒れてしまいそうなくらい絶妙なバランスで絡み合っていた。
「このケーキ……」
「陣からの差し入れだよ。華穂にって」
「こんな豪華なケーキ、私、いただいていいのでしょうか……」
「きっとたくさん迷惑をかけたお詫びのつもりなんじゃないかな。彼は素直じゃないから。すまないがこれで、過去のことは水に流してやってくれない?」
ケーキなんかいくらでも作ってやるよ、そう言って笑ってくれたことを思い出す。
「本当に作ってくれたんですね……すごくうれしいって伝えてくれますか」
「うん。陣も喜ぶよ」
夕緋はまるで自分のことのように、うれしそうな顔をする。
夕緋と陣さん、ふたりの関係がもと通り、いや、それ以上によくなった証拠だ。なんだかホッとした。
結局、負債を背負いきれず倒産しかけていた陣さんの会社を、信頼できる経営者が買い取ってくれた。
夕緋の口添えもあり、現経営者と陣さんは良好な関係を築けているみたいだ。
陣さんは経営に縛られなくなった分、パティシエの仕事に集中できるようになり、世界的な展示会に出展したり、技術を競い合う大会に出場したり、以前よりもずっと活き活きと活動しているらしい。
陣さんの性格的にもその方が合っていたようで、今までにないくらい、よい循環を生み出せているそうだ。
まるでウェディングケーキのように大きくて、鮮やかに飾りつけられている。
真っ白な生クリームの台座に、苺やラズベリーなどの赤い果物がふんだんに乗せられていて、中央にはマカロンタワー。
繊細な飴とチョコレートの細工が、ちょっとでも息を吹きかければ倒れてしまいそうなくらい絶妙なバランスで絡み合っていた。
「このケーキ……」
「陣からの差し入れだよ。華穂にって」
「こんな豪華なケーキ、私、いただいていいのでしょうか……」
「きっとたくさん迷惑をかけたお詫びのつもりなんじゃないかな。彼は素直じゃないから。すまないがこれで、過去のことは水に流してやってくれない?」
ケーキなんかいくらでも作ってやるよ、そう言って笑ってくれたことを思い出す。
「本当に作ってくれたんですね……すごくうれしいって伝えてくれますか」
「うん。陣も喜ぶよ」
夕緋はまるで自分のことのように、うれしそうな顔をする。
夕緋と陣さん、ふたりの関係がもと通り、いや、それ以上によくなった証拠だ。なんだかホッとした。
結局、負債を背負いきれず倒産しかけていた陣さんの会社を、信頼できる経営者が買い取ってくれた。
夕緋の口添えもあり、現経営者と陣さんは良好な関係を築けているみたいだ。
陣さんは経営に縛られなくなった分、パティシエの仕事に集中できるようになり、世界的な展示会に出展したり、技術を競い合う大会に出場したり、以前よりもずっと活き活きと活動しているらしい。
陣さんの性格的にもその方が合っていたようで、今までにないくらい、よい循環を生み出せているそうだ。



