数日、過ぎた。 大垣屋は岸島を連れ、梅野屋を訪れた。 「これはこれは大垣屋の旦那はん、ようお越しやす」 梅野屋の女将には話をつけてあったらしく、 「まずは離れへ」 と離れ座敷へ通された。 ほどなく。 「失礼いたします」 おまさが酒を運んできた。 「…岸島さま」 「おまさどの、ご無沙汰をいたしておるが、おしげどのは息災か?」 「おかげさまで」 おまさは膳を並べた。