洋学所で山本は新島に対面した。 「なるほど、木戸さんもなかなか面白いことを思い付いたものだ」 山本は八重に読み上げられた木戸の手紙を聞くと、 「まぁ心当たりはないでもない」 山本は言った。 「それではこれにて」 岸島は座を外そうとした。 「岸島くん、そこにいなさい。君はこの話の証人だ」 どうも岸島は証人にさせられることが多いらしい。