しかし、と新島は言う。

「木戸さんがすすめてくれたのです」

「木戸?」

「昔の桂小五郎です」

桂小五郎といえば岸島でもわかる。

「あぁ、あの桂か」

「ご存知なのですか?」

「いや、昔よく土方どのが逃げの小五郎とよく話にだしておったので」

「土方…新撰組のですか?」

「さよう」

岸島はうなずいた。

「しかしまたなぜ桂は京にキリシタンの学校を開けと…?」

「江戸では場所がないと申しておりました」

「それは京とて同じこと」

「それゆえ府の顧問の山本さんに手を貸してもらえまいかと思うのです」

新島は言った。