なんて、思っていたけれど。
お察しの通り、なんとかならなかったのである。
3ゲーム目を終えたところだった。
隣のコートでプレーしている瀬川に女の子がキャーキャー言っていて、やけにその声が響くな、と思っていたら、
フッ、と体から力が抜けた。
「…はるか!?大丈夫?ちょっと!!」
奈々、大丈夫だから。
そんなに揺さぶらないでむしろそっちが痛い。
「ちょっとどいて」
ヅカヅカと誰かが近づいて来て、ふわり、と体が浮く。
「…せかわ」
「降ろせとか言うなよ」
「へへ、エスパー?」
周りの視線が気になるだとか、今汗臭いだとか、そんなことはもうどうでもよくて、その力強い腕に全てを預けた。
まただ。また助けられた。これで2度目。
ねぇ、次は?
私がピンチになったら、また助けてくれる?
ーーーーなんてね。