「ただいまー」
私が家に帰ると、既に瀬川がリビングで寛いでいた。
すっかり自分の家のような雰囲気だ。
「おかえり、遅かったね」
「うん、ファミレス行ってきた」
「ふーん、誰と?」
「拓海と」
「…そう。
今日のご飯は?」
なんだか、様子がおかしい。
…怒ってる?
「オムライス。好き?」
「いいね、好きだよ」
家事は、炊事は私、掃除は拓海の担当になっている。(もちろん洗濯は各自)
というのも、瀬川は料理が大の苦手で、簡単なホットケーキでさえ焦がしてしまうのだ。
2人分作るのは逆に慣れないが、1人では出来ない鉄板料理などが出来るのは嬉しい。
「ん、うまい」
一口含んだ瀬川が呟く。
「そ、よかった」
美味しいと言っているくせに、やはり瀬川のオーラは不機嫌だ。
チキンライスに入ってるピーマン、嫌だったかな。それともベーコンじゃなくてウィンナー派だった?
まぁいいか。瀬川の機嫌など私には関係ない。
食べ終わると、瀬川はすぐにお風呂に入ってしまった。
いつもなら後片付けの手伝い、してくれるのにな…。
いいけど。今日は洗い物少ないし。

