「いい加減にして!」
とにかく離れたくて、身を捩る。けれど瀬川の腕が解ける気配はない。
力の差もあの頃とは桁違いだ。
2人とも成長して、男と女になりかけている。
暴れるのにも疲れ、抵抗を止めた時だった。
肩を掴まれ、引き離される。
目と目が合う。私はすぐ逸らす。
肩にあった手が、いつのまにか腰と後頭部に移動していた。
また、目が合う。
「………………っ!!」
次の瞬間、私の視界は瀬川の美しい顔で満たされていた。
唇に温かいものが触れている。
キス、されている。
腕を可能な限り暴れさせても、がっちりと回った瀬川の腕はほどけない。
勢いをつけて思いっきり瀬川の胸を押したところで、やっと解放された。
「何、すんの…!?」
至近距離のまま、瀬川は私にしっかりと目を合わせた。今度はその視線に絡めとられるように、私は目を逸らすことが出来ない。
「何って、キス」
全く悪びれずに瀬川は言った。

