座ってボールを拭いていた高橋ワタルは、立ち上がると俺からボールを奪い取り、ドリブルしながらゴールへ走るときれいなフォームでボールをシュートした。
落ちてきたボールを、今度は俺に投げ、まるで俺にもやってみろとでもいうような態度で。
「なんで?そんなの自分で考えろよ」
わからないから聞いているのに、そんなこと言われても困るんだ。
受け取ったボールをじっと見つめても答えなんて出てこない。
軽くドリブルするとそのままゴールへ向って投げた。
弧を描いて飛んだボールは、きれいにネットの中に落ちる。
「入学式のときに初めて会ったのに、理由が分からない」
少し睨みつけるようにして高橋ワタルを見ると、落ちたボールを拾って籠へ片付けている。
しばらく黙ったまま、お互い目をそらすこともできずにいると体育館の扉が開く音がした。
視線をそちらへ向けると、松本先輩と横山キャプテンが笑いながら入ってきたところで。
「おはよーう。お、今日はワタルもいるんだ!」
いつも他の1年生よりも早く来て俺が掃除している間に走りこんでいる松本先輩と横山キャプテン。
あれ?今日はほかの1年が来ないなぁ。
今までの高橋ワタルとのやり取りを一瞬忘れてしまうほど、先輩たちの登場に驚いてしまった。
いつもなら俺がモップをかけ終わる頃には1年が全員そろうのに、今日は高橋ワタルしか来ていない。
それも、彼はいつもどおりの俺よりも早く来ていた。
「先輩、おはようございます」
落ちてきたボールを、今度は俺に投げ、まるで俺にもやってみろとでもいうような態度で。
「なんで?そんなの自分で考えろよ」
わからないから聞いているのに、そんなこと言われても困るんだ。
受け取ったボールをじっと見つめても答えなんて出てこない。
軽くドリブルするとそのままゴールへ向って投げた。
弧を描いて飛んだボールは、きれいにネットの中に落ちる。
「入学式のときに初めて会ったのに、理由が分からない」
少し睨みつけるようにして高橋ワタルを見ると、落ちたボールを拾って籠へ片付けている。
しばらく黙ったまま、お互い目をそらすこともできずにいると体育館の扉が開く音がした。
視線をそちらへ向けると、松本先輩と横山キャプテンが笑いながら入ってきたところで。
「おはよーう。お、今日はワタルもいるんだ!」
いつも他の1年生よりも早く来て俺が掃除している間に走りこんでいる松本先輩と横山キャプテン。
あれ?今日はほかの1年が来ないなぁ。
今までの高橋ワタルとのやり取りを一瞬忘れてしまうほど、先輩たちの登場に驚いてしまった。
いつもなら俺がモップをかけ終わる頃には1年が全員そろうのに、今日は高橋ワタルしか来ていない。
それも、彼はいつもどおりの俺よりも早く来ていた。
「先輩、おはようございます」

