妹の恋人[完]

沢村さんが配ってくれた研修のプログラムを見ながら、4月末まで新入社員12人で一緒に過ごすことになっていて。

先週まで一緒だったメンバー以外も、皆同じ年齢で、話してみると気さくな感じだった。

「今年は皆年齢も同じだし、助け合って頑張ってくださいね」

初日は本社内の見学や業務内容の説明、明後日からの研修についてお説明であっという間に終わってしまった。

夕方からは、新人歓迎会があるということで、近くのお店を予約してあった。

事前に聞いていたのでカナコのことは大丈夫だけど。

「浅野君、お酒飲める?」

かなりの人数が参加しているようで、ほとんどの人が初めて会う人ばかりで。

新人の俺たちは、胸元に名刺を名札代わりにして付けられていた。

「あ、はい、それなりに」

「はは、面白いね」

どこの部署の方なのかわからないけど、先輩がビールをついでくれて。

「まあ、よろしく」

おとなしく座って食べていると、こうして常に酒を注がれるばかりだということに気が付いたころには、かなり飲まされた後で。